- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 角川書店
- 発売日: 2006/11/29
- メディア: 単行本
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こんな子いるか実際!とかいってたらまれにいたりするから困る。
どこまでも暴走する己のロマンチック・エンジンをとどめようがなく、やがて私はあまりの恥ずかしさに鼻から血を噴いた。
恥を知れ。しかるのち死ね。
しかし私は、もはや内なる礼節の声に耳を傾けはしない。
なぜなら、堕落のきわみにある現今の大学において、ことあるごとに恥を知り、常住坐臥礼節を守ってきても、報われることは皆無だったからだ。
「ハッピーエンドだ。誰もが赤面することうけあいだ」
「奇遇ですね」
「たまたま通りかかったものだから」
彼女はふくふくと笑って「ご一緒します」と頷いた。
人事を尽くして、天命をまて。